No.1 装置家 石井みつるさん
 石井みつるさんのご自宅の住所を目指してオートバイを走らせていくと、成城学園周辺の閑静な住宅街の一角に、「MITSURU ISHII」の表札とカントリースタイルのウッディーなお宅を発見しました。
 案内されて中に入るとダイニングの天井にはドライフラワーが並んでいたりして、とても落ち着いた雰囲気です。
 ダイニングの奥のお部屋が、石井さんの仕事場。入ってびっくり、12畳ほどもありそうな部屋の壁2面を埋めている本棚には、各種の書籍、過去の公演の記録資料、スライド写真のファイルなどがびっしり。本棚の上には、いままでに作った舞台の模型などが置かれています。置ききれないので物置にも入っているとのこと。デスクの上には平行定規、奥の棚には画材やスプレー缶などが並んでいます。反対側の小さなデスクにはパソコンとFAX.窓際にはカラーコピー。カラーコピーが個人の仕事場にある舞台美術家って少ないんじゃないでしょうか。でも、いまやカラーコピーは必需品だそうで、プレゼン用のパースを描くにもカラーコピーで様々に加工した素材を組み合わせたりして使うそうです。
 窓際や本棚の片隅などいたるところに世界各国で買い集めたいろんな骨董品が無造作に置かれています。ランプ、ペーパーナイフ、懐中時計などなど、珍しい物が次々と出てきます。「外国へ行くと、骨董品屋を見て歩くのが楽しみの一つ」という石井さん。その中でも一番のお宝を見せていただきました。それが、右の写真のライカ。なんと製造番号は7000番代だそうで、日本に現存するライカの中でもかなり古い方ではないかとのこと。これは、もともと石井さんのおじいさまが大正時代にドイツで買い求めたものだそうです。おじいさまは東大の教授で、日本の海洋学の基礎を作ったような方だとか。どうりでその時代にドイツに行ったというのもうなずけます。保存状態も最高。ケースの中には付属品一式がきれいに揃っています。マニアが見たらどんな顔するでしょう。
 さらに驚いたことに、石井さんが本棚から取りだした古めかしい本は、なんと漱石の初版本。石井さんの仕事場にはまだまだお宝が眠っていそうです。